古田基の業界レポート

◆フードビジネスの今後
◆中食業・利益を生む経営術
◆変化に対応する一押し繁盛店
◆アメリカ発ニュービジネス動向
 飲食最新事情を掲載します。

平成26年6月5日

「変化対応力で収益を」

30年以上に携わって、痛感することがある。

一つ目は価格に対する“こだわり"である。原材料、人件費など相当な値上がりに対しても素直に価格改定が出来ない。過去、相当無理をして値上げ分を吸収しており、これ以上価格維持は出来ないところに来ているにも拘らず、現状維持で行くケースが多いように思う。

価格を単純に値上げすることは、即、売上減少をもたらすことは明らかである。
しかし、何とか商品の改良、改善を図り、売り方、サービスにも何か手を加える事ができないかを考え、改革に取り組むことは“我慢"以上に大切である。年2回NYを訪問して、食品販売の老舗“ゼイバーズ"で何時も感じることは、必ず何か新しい商品・サービスを加えていることである。

また、経営者のスタン・ゼイバー氏にお目にかかり、秘訣を伺うと、「何時も現場に出て、競合店をよく注目し、改善出来ることはすぐ取り組んでいる」との事。現状の好調のベースとなった、コーヒー、チーズ、オリーブ、通販(輸出)なども数年前のデリ市場の競争が厳しくなった時から取り組み、毎回訪問するたびに改善されて来ている事に感銘している。

二つ目は、市場の変化に対し、新しく、細分化・専門的に取り組む事が積極的に出来るか、どうかである。売上が増大すれば、放置しておいても組織は多様化、複雑化してくる。この多様化、複雑化は必ずTOPを現場から遠ざける事である。

数字を見ていても、現場が遠くなると、お客様が見えにくくなる。そしてお客様の変化を見落とすことになる。商売の原点といわれる“店番"を疎かにすると、市場の変化への対応力に遅れを取ることになる。

消費税の改訂により、消費に明らかに変化が起こっている。
消費の二極化が進み、低価格市場が競争激化し、“レッド・オーシャン"化の進む中く予想以上に高付加価値市場に余裕があるように見える。
従来の高付加価値市場は、企業や社用族をターゲットとしていたが、個人対象のプチ贅沢市場が見逃されていたように思われる。また、素材や調理方法も新しいユニークなものが、どんどん生まれている。

また、今最大の課題は人材不足である。この際、思い切つて細分化し、若者、高齢者、ハンディキャップの人々、未経験者を積極的に活用することも一案である。
小商圏化の進む中、来店頻度を向上させる為には、従来以上にお客様に近づくサービス機能が重要である。従来の採算、効率の発想から、顧客視点で新しいサービス

例えば、デリバリー、ケータリングなど)を実験する中で、効果的、効率的手法を考え出すことが重要である。新しい市場を学習する為には、まず失敗を恐れず、実践することである。失敗すれば、お客様のニーズを学習することになる。今、積極的なチャレンジが必要とされている時である。映像紹介は、ステーキの『ウルフギャング』、大阪の『森のロマン亭』、『咲菜の出汁巻き卵』、フレンチフライの専門店『アンド・ザ・フリット』など満載です。

(レッド・オーシャン:経営学の用語で、血で血を洗うような激しい価格競争が行われている既存市場のこと。)

著書紹介

著書・女ごころを知ればメシは食える松下幸之助氏の薫陶を受けた弊社古田が日本ビクター・アメリカ社長時代の経験を活かし、女性の活躍するフードビジネス市場に参戦。1日2時間営業で来店600人を作る利益の生み方と、わずか十数坪の店舗を超繁盛店にしたノウハウを綴る。日本人の発想には難しいアメリカ発、女性のお客様「心」の引き付け方、女性スタッフ「感性」の引き出し方など、新しい女性市場・女性心理のつかみ方も公開しています。